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知財訴訟判決

商標法

 

審決取消請求事件

昭和54年4月10日 最高裁三小法廷 昭和53年(行ツ)第129号

商標法3条1項3号に掲げる商標と商標法4条1項16号にいう商品の特性につき誤認を生じさせるおそれのある商標との関係につき、それぞれ別個に判断する旨判示した事例。

 

審決取消請求事件

昭和61年1月23日 最高裁一小法廷 昭和60年(行ツ)第68号

商標法三条一項三号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」の意義につき、商標の表示する土地において生産され又は販売されているだろうと一般に認識されることをいう旨判示した原審を維持した事例。

 

審決取消請求上告事件

昭和57年11月12日 最高裁二小法廷 昭和57年(行ツ)第15号

株式会社の商号は商標法4条1項8号の「他人の名称」に該当し、他人たる株式会社を表示するものとして著名であるときは同名商標の登録を受けることができない旨判示した事例。

 

審決取消訴訟

平成17年7月22日 最高裁二小法廷 平成16年(行ヒ)第343号

商標法4条1項8号に言う「著名な略称」とは、問題とされた商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とするものではなく、一般にその略称が本人を指し示すものとして受け入れられているかを基準とすべき旨判示した事例。

 

審決取消請求事件

平成16年6月8日 最高裁三小法廷 平成15年(行ヒ)第265号

商標4条1項8号にいう他人の肖像,氏名等を含む商標について必要な当該他人の承諾の有無を判断する基準時は査定時である旨判示した事例。

 

審決取消請求事件

平成25年12月17日 知財高裁 平成25年(行ケ)第10158号

商標法26条1項により商標権の効力が制限される場合があるからといって,商標法3条1項3号又は4条1項16号の該当性の判断が緩和されるものでない旨判示した事例。

 

審決取消請求事件

平成22年11月15日 知財高裁 平成21年(行ケ)第10433号

商標法7条の2第1項にいう「需要者の間に広く認識された」との要件の充足の有無を判断するに際して、審決が説示したとおり、実際に使用している商標及び役務、使用開始時期、使用期間、使用地域、当該営業の規模(店舗数,営業地域,売上高等)、広告宣伝の方法及び回数、一般紙、雑誌等の掲載回数並びに他人の使用の有無等の事実を総合的に勘案する旨判示した事例。

 

審決取消請求事件

平成19年4月26日 知財高裁 平成18年(行ケ)第10458号

同一日にされたにもかかわらず協議・くじの手続が行われなかった商標は、洗顔主義の公益性が重複商標登録の併存を絶対に許容しないとまでは解されないから無効とはならない旨判示した事例。

 

審決取消訴訟

平成19年3月28日 知財高裁 平成18年(行ケ)第10374号

「出願商標について 需要者が何人かの業務に係る商品・・・ であるかを認識することができる」に至ったと認められるか否かは、使用に係る商標及び商品の性質・態様、使用した期間・地域、当該商品の販売数量・程度、宣伝広告の程度・方法などの諸事情を総合考慮して判断する旨判示した事例。

 

商標権侵害禁止等請求事件

平成9年3月11日 最高裁三小法廷 平成6年(オ)第1102号

商標の類否は、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものであるとしたうえで、チェーンの名称の著名性に注目してその類似性を認めた事例。

 

審決取消訴訟

平成14年1月30日 東京高裁 平成13年(行ケ)第265号

商標法3条2項に該当するかどうかは、使用に係る商標及び商品、使用開始時期及び使用期間、使用地域、当該商品の販売数量等並びに広告宣伝の方法及び回数等を総合考慮して、需要者がなんぴとかの業務に係る商品であることを認識することができるものと認められるかどうかによって決すべきものであり、また商標が他の文字と連続して表示される場合に、そのような態様における使用が、ハウスマークと結合して一体化した商標の使用に当たるか、当該商標自体の使用に当たるかは、当該商標とハウスマークとの連続又は近接表示の頻度、あるいは、当該商標の使用者自身が、ハウスマークと結合したものを一個の商標として扱うような行為をしているかにつき、使用者及び取引者、需要者の認識に従って、これを決する旨判示した事例。

 

審決取消訴訟

平成20年5月29日 知財高裁 平成19年(行ケ)第10215号

立体的形状からなる商標が使用により自他商品識別力を獲得したかどうかは,形状,使用開始時期及び使用期間,使用地域,商品の販売数量,広告宣伝のされた期間・地域及び規模,類似した他の商品等の存否などの事情を総合考慮して判断するのが相当であるとしたうえで、使用に係る商標ないし商品等に当該名称・標章が付されていることやごく僅かな形状の相違が存在してもなお,立体的形状が需要者の目につき易く,強い印象を与えるものであったか等を総合勘案した上で,立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っているか否かを判断すべきである。

 

審決取消請求事件

平成22年11月16日 知財高裁 平成22年(行ケ)第10169号

立体的形状を有する使用商品にその出所である企業等の名称や文字商標等が付されていたとしても,なお文字商標等を捨象して残された立体的形状に注目して,独自の自他商品識別力を獲得するに至っているかどうかを判断すべきであるとした事例

 

商標権侵害差止請求事件

平成4年9月22日 最高裁三小法廷 平成3年(オ)第1805号

商標の類否は、その外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその具体的な取引状況に基づいて判断すべきものであって綿密に観察する限りでは外観、観念、称呼において個別的には類似しない商標であっても、具体的な取引状況いかんによっては類似する場合があり、したがって、外観、観念、称呼についての総合的な類似性の有無も、具体的な取引状況によって異なってくる場合もあることに思いを致すべきである旨判示した事例。

 

審決取消請求事件

平成20年9月8日 最高裁二小法廷 平成19年(行ヒ)第223号

商標法4条1項11号に係る商標の類否は,その外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して,取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり,複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて,商標の構成部分の一部を抽出し,この部分だけの類否を判断することは,その部分が取引者,需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないと認められる場合などを除き,許されない旨判示した事例。

 

審決取消訴訟

平成5年9月10日 最高裁二小法廷 平成3年(行ツ)第103号

「SEIKO」の文字と「EYE」の文字の結合から成る商標が使用された場合には、「SEIKO」の部分が取引者、需要者に対して商品の出所の識別標識として強く支配的な印象を与えるから、「EYE」の部分のみからは、特段の事情が認められない限り、出所の識別標識としての称呼、観念は生じず、「SEIKOEYE」全体として若しくは「SEIKO」の部分としてのみ称呼、観念が生じる旨判示した事例。

 

商標登録出願拒絶査定不服抗告審判審決取消請求上告事件

昭和43年2月27日 最高裁三小法廷 昭和39年(行ツ)第110号

 糸一般を指定商品とし「しようざん」の称呼をもつ商標と硝子繊維糸のみを指定商品とし「ひようざん」の称呼をもつ商標とでは、右両商標が外観および観念において著しく異なり、かつ、硝子繊維糸の取引では、商標の称呼のみによつて商標を識別しひいて商品の出所を知り品質を認識するようなことがほとんど行なわれないのが実情であるときは、両者は類似でないと認めるのが相当であるとした。

 

審決取消請求上告事件

昭和36年6月27日 最高裁三小法廷 昭和33年(オ)第1104号

①商品自体が取引上互に誤認混同を生ずる虞がないものであつても、それらの商品に同一または類似の商標を使用するとき同一営業主の製造または販売にかかる商品と誤認混同される虞がある場合には、これらの商品は、旧商標法(大正一〇年法律第九九号)第二条第一項第九号にいう類似の商品にあたると解するのが相当であるとした。
②出願にかかる商標が原登録商標の連合商標として出願された場合であつても、それが登録を受けうるためには、他人の登録商標と類似していないことを必要とするとした。

 

審決取消訴訟

平成23年12月20日 最高裁三小法廷 平成21年(行ヒ)第217号

 商標法施行規則(平成13年経済産業省令第202号による改正前のもの)別表第35類3に定める「商品の販売に関する情報の提供」とは,商業等に従事する企業に対して,その管理,運営等を援助するための情報を提供する役務をいうとした。

 

審決取消訴訟

平成12年7月11日 最高裁三小法廷 平成10年(行ヒ)第85号

①商標法四条一項一五号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」は、当該商標をその指定商品等に使用したときに、当該商品等が他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ、すなわち、いわゆる広義の混同を生ずるおそれがある商標をも包含するとした。
②商標法四条一項一五号にいう「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の関連性の程度、取引者及び需用者の共通性その他取引の実状などに照らし、右指定商品等の取引者及び需用者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断すべきであるとした。

 

商標権侵害禁止仮処分申請事件

昭和46年9月17日 福岡地裁飯塚支部 昭和44年(ヨ)第41号

包装用容器に標章を表示してその在中商品ではなく、包装用容器そのものの出所を示す場合には、その側面又は底面、表面であれば隅の方に小さく表示するなど、内容物の表示と混同されるおそれのないような形で表わすのが通例であつて、包装用容器の見易い位置に見易い方法で表わされている標章は、内容物たる商品の商品名もしくはその商品の出所を示す標章と見られるもので、包装用容器そのものの出所を表わすものとは受けとられない、というのが今日の取引上の経験則というべきあるとした。

 

商標法違反被告事件

平成12年2月24日 最高裁一小法廷 平成8年(あ)第342号

商標の付された電子部品がいわゆるパチスロ機の構成部分である主基板に装着された場合において、右商標はパチスロ機の外観上は視認できないが、パチスロ機の流通過程において、元の外観及び形態を保っている右電子部品とともに、中間の販売業者やパチンコ店関係者に視認される可能性があったなど判示の事実関係の下では、右商標は、右電子部品が主基板に装着されてパチスロ機に取り付けられた後であっても、なお電子部品についての商品識別機能を保持しており、右商標の付された電子部品をパチスロ機の主基板に取り付けて販売する目的で所持し、又は右パチスロ機を譲渡する各行為について、商標権侵害罪が成立するとした。

 

商標使用禁止等請求事件

昭和63年9月16日 東京地裁 昭和62年(ワ)第9572号

商標法二五条本文にいう「登録商標の使用をする権利」とは、出所表示機能を有する商標の使用をする権利を意味するものであるから、出所表示機能を有しない商標の使用若しくは出所表示機能を有しない態様で表示されている商標の使用は、「登録商標の使用をする権利」には含まれないものと解するのが相当であるとした。

 

損害賠償請求事件

昭和62年8月26日 大阪地裁 昭和61年(ワ)第7518号

その物品が登録商標の指定商品と同一又は類似ではない商品の包装物又は広告媒体等であるにすぎない場合には、商標権の侵害行為とはならない。そして、ある物品がそれ自体独立の商品であるかそれとも他の商品の包装物又は広告媒体等であるにすぎないか否かは、その物品がそれ自体交換価値を有し独立の商取引の目的物とされているものであるか否かによつて判定すべきものであるとした。

 

商標法違反被告事件

昭和46年7月20日 最高裁三小法廷 昭和44年(あ)第2117号

①正当な権限がないのに指定商品の包装に登録商標を付したものを販売する目的で処理する場合、その中身が商標権者自身の製品でしかも新品であることは、商標法三七条二号、七八条の罪の成立になんら影響を及ぼさないとした。
②特段の美観要素がなく、もつぱら運搬用商品保護用であるとしても、商品を収容している容器としての段ボール箱は、商標法三七条二号にいう「商品の包装」にあたるとした。 ③商標法三七条二号の行為は、必ずしも業としてなされることを必要としないとした。

 

商標権仮処分事件

昭和51年8月4日 大阪地裁 昭和51年(ヨ)第2469号

真正商品であつても、何人でも自由にこれに登録商標を付し得るとするならば、登録商標に対する信頼の基礎は失われ、登録商標の機能を発揮し得ないことは明らかであるとした。

 

商標権侵害排除等請求参加事件

平成2年7月20日 最高裁二小法廷 昭和60年(オ)第1576号

漫画の主人公の観念、称呼を生じさせる登録商標の商標登録出願当時、既にその主人公の名称が漫画から想起される人物像と不可分一体のものとして世人に親しまれていた場合において右主人公の名称の文字のみから成る標章が右漫画の著作権者の許諾に基づいて商品に付されているなど判示の事情の下においては、右登録商標の商標権者が右標章につき登録商標の商標権の侵害を主張することは、権利の濫用として許されないとした。

 

損害賠償、商標権侵害差止等請求事件

平成15年2月27日 最高裁一小法廷 平成14年(受)第1100号

商標権者以外の者が、我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき、その登録商標と同一の商標を付されたものを輸入する行為は、(1) 当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、(2) 当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるか又は法律的若しくは経済的に同一人と同視し得るような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示するものであって、(3) 我が国の商標権者が直接的に又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合には、いわゆる真正商品の並行輸入として商標権侵害としての実質的違法性を欠く。

 

審決取消請求事件

平成3年4月23日 最高裁三小法廷 昭和63年(行ツ)第37号

商標登録の不使用取消審決の取消訴訟における当該登録商標の使用の事実の立証は、事実審の口頭弁論終結時に至るまで許されるとした。

 

審決取消請求事件

平成27年11月26日 知財高裁 平成26年(行ケ)第10234号

商標法50条所定の「使用」は、当該商標がその指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用されていれば足り、出所表示機能を果たす態様に限定されるものではないというべきであるとした。

 

審決取消請求事件

平成17年7月11日 最高裁二小法廷 平成15年(行ヒ)第353号

商標法(平成3年法律第65号による改正前のもの)4条1項15号違反を理由とする商標登録の無効の審判請求が商標法(平成8年法律第68号による改正前のもの)47条所定の除斥期間を遵守したものであるというためには、除斥期間内に提出された審判請求書に、請求の理由として該商標登録が上記15号の規定に違反するものである旨の主張が記載されていることをもって足りるとした。

 

審決取消請求事件

平成17年7月14日 最高裁一小法廷 平成16年(行ヒ)第4号

商標登録出願についての拒絶をすべき旨の審決に対する訴えが裁判所に係属している場合に、分割出願がされ、もとの商標登録出願について指定商品等を削除する補正がされたときには、その補正の効果が商標登録出願の時にさかのぼって生ずることはないとした。

 

審決取消請求事件

平成24年5月31日 知財高裁 平成24年(行ケ)第10019号

被告は、他者の商標や商号に類似している商標を短期間のうちに多数登録出願しており、しかも指定役務が広く一貫性もなかった。また登録された商標について現在に至るまで業務に使用したことはない。このような事情のもとであっても、使用の意思があることについて合理的な疑義があるとはいえないと認定、判断されたものの、登録商標が『自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標』であることについては、権利者側において立証すべきであるが、これを認めるに足りる証拠はないとされた事例。

 

審決取消訴訟

平成25年1月24日 知財高裁 平成24年(行ケ)第10285号

「ある標章が商標法3条2項所定の『使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるもの』に該当するか否かは,出願に係る商標と外観において同一とみられる標章が指定商品とされる商品に使用されたことを前提として,その使用開始時期,使用期間,使用地域,使用態様,当該商品の販売数量又は売上高等,当該商品又はこれに類似した商品に関する当該標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮して判断されるべきである。」とされた事例。

 

審決取消請求事件

平成20年6月26日 知財高裁 平成19年(行ケ)第10392号

「コンマー」および「CONMER」の文字を上下2段に横書きしてなり、商品の区分を第26類、指定商品を「ボタン類」とする商標について商標法4条1項7号該当性が争われた。商標法4条1項7号『公序良俗を害するおそれ』を「私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは、商標登録の適格性に関する予測可能性及び法的安定性を著しく損なうことになるので、特段の事情のある例外的な場合を除くほか、許されない」と判示された事例。

 

審決取消請求事件

平成18年9月20日 知財高裁 平成17年(行ケ)第10349号

カナダ国の小説家による著名な小説(邦題「赤毛のアン」)の原題である「Anne of Green Gables」との文字からなる商標登録について、商標法4条1項7号の公序良俗を害するおそれがある商標「に該当し、商標登録を受けることができないものである」旨が判示された。

 

審決取消請求事件

平成26年10月29日 知財高裁 平成26年(行ケ)第10118号

商標法4条1項10号にいう『広く認識されている』に該当するためには、「必ずしも全国的に知られている必要まではないが、1都道府県内で知られているだけでは足りず、少なくとも関西一円などの数県にわたる相当広い範囲で、取引者・需要者に知られていることを要する」、また「すべての取引者・需要者に知られている必要まではないが、相当程度の取引者・需要者に知られていることを要する」旨が判示された。さらに「商標法4条1項10号が適用されるためには、商標が『他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するもの』として周知されていなければならないが、ここにいう『他人』とは、特定人の氏名まで周知されていなくてもよく、当該商標を使用して製造・販売等する商品又は役務について、特定の主体が判断できれば足りる」と判示された事例。

 

商標権侵害差止請求事件

平成26年11月28日 東京地裁 平成26年(ワ)第767号

原告は標準文字「PITAVA」(指定商品「薬剤」)からなる商標の商標権者である。被告は、原告の販売する医薬品の後発医薬品を販売しており、被告商品には「ピタバ」を横書きしてなる被告標章、有効成分の含量を表す数字、「MEEK」または「MK」(日薬連に登録された被告の会社コード、その略称)が付されている。原告は、それら被告の各商品を販売する被告の行為は原告の商標権を侵害すると主張して、被告商品の販売の差止めおよび廃棄を求め、被告商品の各標章の表示が商標的使用にあたるかが争点となった。東京地裁は「その表示の趣旨は主として、他の有効成分を含有する錠剤と誤って調剤することや、誤って服用することを防止することにあるから、それは自他商品の識別や出所の識別を果たすものではなく、あくまで薬剤の有効成分が何であるかを識別する機能を果たしているに過ぎない」とし、原告の請求を棄却した。

 

商標権侵害差止等請求控訴事件

平成22年1月22日 大阪高裁 平成20年(ネ)第2836号

被控訴人(原告)は老舗すし店であり「招福巻」という商標の商標権者である。控訴人(被告)は、スーパーマーケット「ジャスコ」の各店舗において、平成18年と平成19年の1月~2月に、「十二単の招福巻」という名称の節分用巻き寿司を販売した。控訴人のかかる行為は被控訴人の商標権を侵害するとして、商標法36条に基づく上記行為の差止め等と民法709条に基づく損害賠償請求を求める訴訟が提起された。原審は、両商標は類似し、みなし侵害(商標法37条1号)であるとして、被控訴人の請求のうち差止め等の請求については全部、金銭請求は一部認容した。これに対し大阪高裁は、遅くとも平成17年以降は極めて多くのスーパーマーケット等で『招福巻』の商品名が用いられていることなどから、「『招福巻』は、巻き寿司の一態様を示す商品名として、遅くとも平成17年には普通名称となっていた」と判示し、被控訴人(原告)の請求を棄却した。

 

商標権等に基づく差止等請求事件

平成28年11月24日 東京地裁 平成27年(ワ)第29586号

本件被告は、本件原告が日本における商標権を有する登録商標が表示されたティーバッグを輸入し、透明のビニール袋に入れて小分けにして販売した。被告のこのような行為が原告の商標権を侵害するとして販売の差止めと廃棄、謝罪広告、損害賠償を請求する訴訟が提起された。東京地裁は、「原告商標が保証するのは(略)指定商品及び指定役務に係る品質であるところ、商品が高級品であるといった印象や食品表示の記載は原告商標が保証するものに当たらず、(略)指定商品等の品質に直ちに影響しない。また、」被告は「被告商品それ自体には改変を加えていないから、その包装方法によって紅茶の品質が直ちに影響するとは考え難い。」として、原告の請求を棄却した。

 

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