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著作権が「復活」?JASRACがガーシュウィンの一部楽曲管理再開

ニュースの概要

「ラプソディ―・イン・ブルー」などの楽曲で知られる作曲家ジョージ・ガーシュウィンの著作権が復活したことが分かり、JASRACが管理を再開することが発表されました。

ガーシュウィンの楽曲のうち、兄のアイラ・ガーシュウィンとの共作が判明したものが対象ということで「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー(Someone to Watch Over Me) 」や「サマータイム(summer time)」なども復活した対象に含まれます。

共同著作物と著作権の期限

今回、ガーシュウィンの著作権が復活した原因は「共同著作物」の「著作権の期限」です。

今回著作権の取り扱いが変わったのは、ジョージ・ガーシュウィンの単独の作品ではなく、アイラとジョージの共同著作物であることが判明した楽曲です。

共同著作物とは、2人以上の者が「共同して」「創作」した著作物のうち各人の寄与を「分離して個別的に利用することができないもの」、つまり、複数人が作成し、かつ誰がどの部分を作ったか判別できないものを言います。

著作権の保護期間は、単独の場合原則として著作権者の死亡時から70年ですが、共同著作物の場合は、最後に死亡した著作者の死亡時から70年となります。

ジョージの死去は1937年、アイラの死去は1983年なので、単独で作った曲の著作権は1937年から70年(ジョージの著作権が切れた当時、日本の著作権保護期間は50年でしたが、戦時加算と呼ばれる制度で約60年保護されています)、ジョージとアイラが共同で作った楽曲の著作権は1983年から70年保護されます。

つまり、今回楽曲がジョージとアイラの共同で作られたと認定されたことで、今までは下図青矢印だと思われていた権利がオレンジ矢印であることが判明したことになります。

配信元:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210910/k10013252191000.html