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COVID支援対策宣言を活用、日産の体温管理システムが感染症対策システムに利用される

ニュースの概要

日産自動車が、体温や体調管理システムを株式会社シーイーシーに対して無償で許諾したことを発表しました。

日産は2020年末にもセイコーらに対して熱画像センサー技術の利用の許諾を無償で行っており、コロナ対策製品の基礎となる技術を積極的に提供する姿勢を見せています。

COVID-19対策支援宣言とは?

「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」は, 100社余りの企業が、自社の保有する特許等の知的財産を無償で使用許諾するためのルールを定めた共同宣言です。

許諾の範囲は企業によって異なりますので都度確認する必要がありますが、基本的にCOVID-19への対策に使うための技術であれば広く許諾をする傾向があります。参加企業の高い技術力と相まって、COVIDを直接打ち倒す技術のみでなく、ニューノーマルでの生活インフラの構築にも使いうる取組みになっています。

これらの宣言の中心人物になっているのは20社の経営者や知財責任者で、日産の経営戦略本部テクノロジービジネス部長及び知的財産部長も名を連ねています。 日産としてはこれらの精神を体現する形で自社技術を積極的に開放することで知財活用を推し進めているようです。

株式会社シーイーシーはどのような技術に使う?

日産の体温体調管理システムは、体温計やサーモカメラによる体温測定とタブレット端末による個人の体調管理を一体にしたもので、これらのシステムと問診システムをつなげることにより迅速でミスのない体調管理及び健康状態の診断を行う技術です。

一方、シーイーシーは物流効率化ICTソリューション「LogiPull(ロジプル)」で、非接触型の検温システムを提供しています。このシステムに体調管理システムを取り込むことで、より広範な範囲をカバーした物流関連の感染リスク低減システムを提供することが考えられます。

積極的な知財活用の先駆けとなるか

今回はCOVID-19対策支援宣言という極めて特異な状況ではありましたが、この宣言などをきっかけに、今後積極的に他社の知財を使い、知財を他社にライセンス提供するための体制が整いよりシナジーの効いた知財活用がされることが期待されます。

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