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リディアワークスも実践!オープン・クローズ戦略って?

ニュースの概要

リディアワークスは2014年に開発した内照式の布看板「ルーファス」の構造を模倣されないよう特許を取得しました。

そもそも技術公開により、他社にヒントを与えてしまうかもしれないので、特許権を取得してもその権利が守られるかどうか分からない、という問題があります。

この視点が後述のオープン・クローズ戦略を理解する礎となります。

ルーファスとは

展張型の内照式の布看板で、壁面や軽量の膜天井、光壁、発光する光膜天井として利用可能です。また、展張という単純な手法は、あらゆる活用が想定されます。

綺麗に布を貼る構造について特許登録

リディアワークスは綺麗に布を貼る構造を模索しました。その結果、ロックタイ(結束帯)のギアのような、引っ張るだけでカチッと留まる構造を活用し、突起をつけて噛み合うようにすれば張り具合を調節できる構造を発明しました。

そして、思いっきり引っ張っても取れず、キッカケを作って引っ張るとスルスル取れる理想的な構造が出来ました。

オープン・クローズ戦略

オープン・クローズ戦略について明確な定義はありませんが、「自社のコア技術などを自社で囲いこみ(「クローズ」化)しつつ、製品関連技術を広く普及させ(「オープン」化)、自社利益の拡大と市場の拡大とを同時に実現することを目的とする事業戦略です。

本件でいうと、ルーファスに関する本特許をオープン化するかクローズ化するか迷った結果、本構造が簡単に模倣できそうな構造であり、特許費用を回収できる市場価値が見込めると考え、特許取得(オープン化)に至りました。

<オープン戦略の一例>

・標準化、パテントプール化

・無償実施によるデファクトスタンダード化

・特許のライセンス(有償/無償)

・特許のクロスライセンス

<クローズ戦略の一例>

・秘匿化(ブラックボックス化)

・知的財産権の独占実施(但し、知的財産権を取得することはその内容が公開されてしまうので、クローズを秘匿化という意味で使う場合には、クローズに知的財産権の独占実施は含まれません。)

アップルやインテルは、オープン・クローズ戦略を駆使して市場や自社利益を急速に拡大しました。

(参考:「知財実務のツボとコツがゼッタイにわかる本」(秀和システム) 酒井誠一 著)

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