著作権の取得に手続きは不要!
著作権は創作物に対して与えられるものです。つまり、頭の中にあるいわゆる「アイデア」を作品として描いたり創作した時点で、著作者は著作権を取得することになり、特許や商標のように何らかの手続きをとる必要はありません。これを無方式主義といいます。
著作権はどうやって保護するの?
先に述べたように、著作権は特段手続きをしなくても発生します。しかし、それだけで本当に大丈夫でしょうか。著作権は手続きなく発生することからその著作権が誰のものであり、誰に移転し、現在どういう権利状態かということがわかりにくいという特性があります。これらの特性上、正式な出所や情報を知り、権利情報を明示する制度が必要ということになります。 そこで、文化庁は、取引の安全の観点から、著作権の権利関係の公示をすることができる登録制度を設けています。
参照・文化庁ホームページ:https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/toroku_seido/
この登録制度により、いつ著作権が移転したか等を公示することができますので、権利関係のトラブルが起こりにくくなります。
著作権を登録しないとどうなる?
著作権は、著作物を勝手にコピーされたり、勝手に使用されやすいという性質があります。特に、IT化めざましい現代社会においては、簡単に著作権を無断転載できたり、劣化がほとんどない形で複製したりということができてしまいます。
このことから、自身の権利を守るためには、公的機関への登録がベターだといえます。
しかし、これにはかなりのお金がかかってしまいます。著作権の移転の登録だけでも、1件当たり1万8千円もかかってしまいます。
コストをかけずに著作権を保護する方法はないの?
お金をかけずに権利を守る方法は「著作権の所在を明らかにして、自身著作権を保護する」というものがあります。
著作権法14条には、著作者の推定について定められています。
そこで、著作物と共に著作者を明示したり、「©(copyrightの略です。)」や「All rights reserved」と入れたり、HPで著作権の所在を明らかにして保護を図ることも可能です。
※なお、万国著作権条約で定められている表示方法は、「©+公開した年+著作権を有する会社や個人名」です。
著作権の所在を明らかにすることにより受けられる著作者の推定とは、「著作者として表示されている者を、著作者と推定する」という制度で、「表示している人は著作者でない」という証拠を出されるなどして覆されない限り、著作者として表示されている人は裁判において著作権者として扱われることとなります。
また、著作権の所在を明らかにすることのメリットは著作権者として推定されるというだけにとどまりません。裁判の中で著作権侵害の故意の主張をする際に有利となります。例えば、webサイト上できちんと著作権者を表示していれば、「著作権者の表示がされているのだから、他人の著作物ということが分かり、無断で利用してはいけないことはわかっていたはず。それなのに敢えて著作権を侵害した」と裁判官に主張することができます。
また、著作権の期限においてもアドバンテージを有します。著作者を特定できる場合は「著作者の死後50年間」であるのに対し、著作者が不明の場合は「公表後50年間」です。
他にも、転載される場合に著作者として表示してもらうことができるなどの広告的な機能もあります。