特許出願についての実務を調べると「年金管理」という言葉を目にします。
「年金」というと、日本国民が将来的に貰えるであろう、いわゆる「年金」が浮かぶのではないでしょうか。
しかし、特許の世界で「年金」というと違う意味となります。
今回は、特許の年金管理について解説します。
特許の年金管理とは
ひとことで言うと、「特許の更新料」です。
なんだ、それだけかと思う方がいるかもしれませんが、甘く見てはいけません。特許出願が増えればその数だけ特許を維持するために更新料を支払う必要がでてきます。あるいは、企業として戦略的に更新をしないと判断する特許もでてきます。
そういった、企業の戦略に応じた特許更新料の支払いを確実に行うことは想像しているよりも複雑で、ミスが許されません。もし会社として維持すべきと判断した特許を更新しなかった場合、今後の事業活動に大きなダメージを与えかねません。
年金管理の費用と注意点
特許料の費用は以下となります。
項目 | 金額 |
特許料(第1年から第3年まで) | 毎年 4,300円+(請求項の数×300円) |
(第4年から第6年まで) | 毎年 10,300円+(請求項の数×800円) |
(第7年から第9年まで) | 毎年 24,800円+(請求項の数×1,900円) |
(第10年から第25年まで) | 毎年 59,400円+(請求項の数×4,600円) |
(参考:https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/kaisei/2022_ryokinkaitei.html#1-1 )
とくに注意しなくてはならない点としては、海外の特許を出願している場合です。
弁理士事務所や知財管理会社などのプロに依頼する場合はこれらに加え、各所が定めたサービス料がかかるので注意が必要です。
また、海外特許の制度は国によって異なります。特許の出願を検討する際に、あらかじめ日本の制度との違いを調べておきましょう。
たとえば、米国の場合・・・「ひと目でわかる!米国特許年金の金額・期限【2022年最新版】」https://www.logic-meister.com/blog/us-patent-maintenance
特許の年金管理のプロ
以下では特許の年金管理を専門的におこなっている会社を紹介します。
気になる方はプロに相談してみてはいかがでしょうか。
NGB株式会社( https://www.ngb.co.jp/service/patent/service/renewals/ )
株式会社デンネマイヤー( https://www.dennemeyer.com/ja/知財メンテナンス/特許年金管理/ )
年金管理は、出願を代理した弁理士事務所にて行うケースも多いので、顧問弁理士などに相談してみるのも手かもしれません。
まとめ
特許の年金管理は、機械的に行う単純作業のようにみえて、実は企業の戦略に直結する非常に重要な事項となります。
一度自社の特許戦略を振り返ってみてはいかがでしょうか。