知財ニュースまとめ 2023年7月26日版

小野薬品工業は、英アストラゼネカとのがん治療薬の特許侵害訴訟が和解しました。小野薬品は自社の権利を侵害されたと主張し、和解により約１億４千万ドル（約１９８億円）をアストラゼネカから受け取ることになります。小野薬品と米ブリストル・マイヤーズスクイブは、がん治療薬の抗体２種類に関する特許侵害を訴えていました。和解の影響は、小野薬品の令和６年３月期連結業績に反映される見込みです。

Google（グーグル）に対する特許侵害訴訟がテキサスの陪審員によって決定されました。GoogleのChromecast（クロームキャスト）が特許を侵害していると主張され、Touchstream Technologies社が3億3870万ドルの賠償を受けるよう命じられました。この裁判はハイテク企業が特許や知的財産権に関する問題に直面する例として注目されています。Googleは控訴する意向を示しています。Touchstreamは他の企業にも同様の訴えを起こしており、これらの訴訟も注目されています。

CHANGE ViSiON株式会社は、エヴィクサー株式会社とテレ株式会社との連携により、日本初となるインタラクティブ広告を開始しました。CHANGE ViSiON Harajukuで行われるこの広告は、株式会社LDH JAPAN所属のタレント4名を起用し、裸眼3D映像を使用しています。タレントのデジタルアートがスマートフォンを通じて視聴者にプレゼントされ、さらに電話番号を通じてタレントと電話できる仕組みとなっています。このインタラクティブな体験を通じて、認定NPO法人フローレンスへの寄付やSDGsについての考えるきっかけを提供しています。CHANGE ViSiONは、クリエイティブカンパニーとしての強みを活かし、インタラクティブな体験による情報提供を行い、ファンの獲得を目指しています。

日本の特許庁が公開したLiDAR（ライダー）関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を使用し、特許・技術調査レポートがまとめられました。LiDARは近年、車載向けセンサーとして注目を集めるリモートセンシング技術であり、三菱電機が総合力で1位、パイオニアが2位、デンソーが3位となりました。その他にもリコーやWAYMOなどが上位にランクインしています。

シャープはVivo Mobile Communicationと無線通信技術の特許クロスライセンス契約を結んだと発表しました。これにより、中国で起こしていた訴訟も取り下げられました。シャープは過去にもW-CDMA、LTE、LTE-Advanced、5G規格に関する6000件以上の必須特許を持っており、引き続き公正かつ合理的な条件でライセンス供与を行っていきます。OPPOとも特許クロスライセンス契約を結んでいました。

Appleが提出した最新の特許は、「モジュール型コンピューターと入力端末」に関するもので、ノートPCの未来を示唆しています。この特許では、スクリーンやキーボードを着脱できるスロットを備えたドックのようなものが描かれています。ユーザーは自由にディスプレイやキーボードをドックに付け替えることができ、さまざまな使い方が可能です。特許の中には、ラップトップや2-in-1端末のような従来の形態から、複数スクリーンを備えたものやDJのターンテーブルとディスプレイの組み合わせなども想定されています。ただし、特許が実現されるかどうかは不確定であることを忘れずに、モジュール式の特許は修理や買い替え、買い足しの柔軟性を提供してくれる点で魅力的です。

中国のアリババ集団が、無人店舗などの次世代の流通技術である「リテールテック」の特許取得数で世界首位になったと報じられています。世界の特許の2割が中国によるものであり、中国と米国が合わせて7割を保有しています。リテールテックは情報技術（IT）を活用して流通業を効率化する先進技術であり、倉庫の自動化、決済、消費者の位置情報の分析などさまざまな領域で活用されています。世界の小売りや電子商取引（EC）大手がリテールテックの導入に取り組んでいるとのことです。

生成AIを使って画像などを生成することは、著作権違反には当たらないとされています。著作物は創作的に表現されたものであり、情報解析や非享受目的利用には著作権者の許諾なしに利用できる場合があります。ただし、生成AIの開発・学習段階においては、慎重な対応が必要です。