知財ニュースまとめ 2023年8月2日版

シャープとVivo Mobile Communicationは無線通信技術の特許クロスライセンス契約を締結しました。この契約により、シャープは2022年9月に中国で起こした訴訟を取り下げることに成功しました。シャープはこれまで日米欧中韓の企業に無線通信技術の特許を提供しており、今後も「公正、合理的かつ非差別」な条件でライセンス供与を続けます。また、シャープはW-CDMAやLTE、LTE-Advanced、5Gなどの無線通信技術に関する研究開発を進め、6,000件以上の必須特許を保有しています。将来的には5Gなどの基幹技術に取り組み、事業ビジョン「8K＋5GとAIoTで世界を変える」の実現を目指します。

2023年8月1日、政府は経済安全保障推進法に基づいて、航空機のステルス技術など25分野に関する特許審査を非公開とする政令を決定しました。特に、国家および国民の安全を損なう恐れのある発明については、原則として1年半後に行われる特許公開を回避することで、情報保全を強化します。この25分野には、ステルス航空機技術や無人航空機技術、新たな攻撃・防御技術などが含まれます。また、基幹インフラ業種の事業者が新設・更新する際の事前審査についても、政令で規定されました。

セールスフォース・ジャパンの代表取締役会長であり社長でもある小出伸一氏は、最近行われた新サービスに関する記者説明会で、生成AIについて語りました。彼は「Salesforceは創業以来、CRMを提供してきましたが、生成AIはそのCRMの在り方を変え、企業と顧客の接点に革命をもたらすと考えています。EinsteinというCRM向けAIを2016年から提供しており、現在まで開発と改善を重ねてきました。EinsteinはSalesforceのクラウド製品全体にネイティブに組み込まれており、既にお客様はAIを活用しています。」と述べました。

住友電工は富山県で電気自動車（EV）向けの半導体材料新工場の建設を計画しています。兵庫県にある既存工場に新しい生産ラインを加える形で、約300億円を投じ、2027年から次世代のパワー半導体ウェハーの生産を開始します。これにより、EVの航続距離を約10%延ばすことができる見込みです。国内におけるEVの供給網整備が進展している中での取り組みとなります。
新工場では、モーターなどで電流や電圧を制御するためのパワー半導体向けの材料である炭化ケイ素（SiC）ウェハーの生産が行われます。SiCは、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ素材であり、高い耐熱性や耐久性を持つため、EVの性能向上に貢献すると期待されています。
この取り組みによって、住友電工は電動車市場の成長に対応し、先進的な半導体材料の供給を強化することを目指しています。

特許が切れた新薬と同じ成分を含む安価な後発医薬品への切り替えが、2022年度において8割を超える割合となった。政府の目標はほぼ達成されたものの、高齢化が進む日本においては、薬剤費の問題が依然として解決されていない。後発薬の普及により、メーカー側では安定供給への不安も出ている。厚生労働省は31日、供給の確保策について議論を開始し、年内に政策支援案をまとめる予定だ。