ニュースの概要
任天堂株式会社は、株式会社コロプラに対して提起した訴訟で、和解が成立したと発表しました。任天堂は、コロプラのスマートフォン向けゲーム「白猫プロジェクト」内の技術が自社の特許権を侵害するとして、2017年12月、同社に損害賠償や同ゲームの提供差止めを求める訴訟を提起していました。
コロプラの発表によれば和解内容は、コロプラが任天堂に対し、今後もゲームを提供するためのライセンス料を含め33億円を支払うようです。訴訟の長期化も予想されていましたが、コロプラは「和解による早期解決を図ることが最善であると判断した」とのことで和解が成立しました。
今回の争点となった特許
本件訴訟の争点は、白猫プロジェクトで用いられているキャラクター操作の技術(画面内に現れるバーチャルパッドをタッチすることでキャラクターを操るプログラム(ぷにコン操作システム))が、任天堂が保有している以下6件のプログラム特許侵害しているか、という点でした。
・特許第3734820号・特許第3637031号・特許第4010533号、
・特許第4262217号・特許第5595991号・特許第6271692号
任天堂の上手い戦術
任天堂は、本件訴訟の提起前である2016年6月に、同社が保有するプログラム特許の訂正を申請しています。
この「訴訟準備」ともいえる訂正の趣旨は、任天堂が保有する特許権の範囲をより明確にすることにあります。
これは、訴訟前に特許権の範囲を変更しておことで、コロプラからの「特許が無効である」という反論に対応し、訴訟を有利に進めるための戦略といえます。
コロプラによる「特許が無効である」という主張は、任天堂の特許に「新規性がないこと(既に発明されている技術)」や「進歩性がないこと(誰でも思いつく技術)」等を基礎に行われます。これらのコロプラの主張は、特許訴訟ではメジャーな反論であるので、任天堂はここを想定して事前準備を行うことで、33億円という高額の和解に繋がったと考えられます。
同訴訟における請求額増額段階の記事
https://www.tokkyo.ai/news/patent-news/nintendo-colopra/
配信元:https://news.biglobe.ne.jp/entertainment/0804/ori_210804_5395066710.html