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サムスンを超える特許価値、TSMCとは

ニュースの概要

台湾信用調査会社の中華徴信所企業(CRIF)は、台湾の売上高上位10社の特許価値を評価した報告書をまとめました。これらの企業の中でも台湾積体電路製造(TSMC)は特に高い特許価値を保有し、あの、大手半導体メーカーサムスンをもしのぐことが示唆されています。

台湾の半導体情勢

米中対立の主戦場である半導体産業においては現在、世界的に半導体不足が顕著となっています。TSMCを抱え米中対立情勢のただなかにある台湾は、最近の半導体事情におけるトレンドが生産設備や材料といったサプライチェーンの増強に傾いている背景を踏まえ、次世代半導体の開発を強化し、これらの分野での競争力を一層高めようとしています。

それらを裏打ちするのが、先ほど述べた価値の高い特許を次々と取得するTSMCの戦略です。

台湾積体電路製造(TSMC)とは

TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company:台湾積体電路製造)は台湾で創業された半導体製造企業です。その時価総額は世界第11位に達し、半導体製造を手掛けるインテルやサムスンといった大手を上回ります。

TSMCのビジネスモデルは「ピュアプレイ・ファウンドリー(Pure-play foundry)」と呼ばれるもので、他社に製造を委託して、自社ブランドの製品を提供しない、という特徴があります。つまり製造を委託して自社工場を持たない半導体メーカーは、設計に特化できるため、製造にかかわるコストを最適化できるのです。この事業戦略により、中国の影響が大きい台湾に位置しながらアップルやクアルコムのような巨大企業を取引先とする、まさに米中対立の真ん中にいながら好調な業績を維持しているのです。

TSMCは「先端半導体技術の生産と研究開発を支援し、半導体の生産能力を強化するため、今後3年で1000億ドル(約11兆円)を投じる計画」を発表していました。今後も同社にかかわる技術投資は上昇し、これらに基づく特許戦略が策定される可能性が高まっています。

配信元 https://www.nna.jp/news/show/2216927