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「化学分野から明るい未来を切り開く」大谷特許事務所インタビュー

「化学特化型のグローバル特許事務所」として東京都港区虎ノ門にオフィスを構える大谷特許事務所。

今回は大谷特許事務所の専門家集団のうち、
・有永 俊 氏(共同代表/パートナー弁理士)
・佐々木 渉 氏(共同代表/パートナー弁理士)
・関根 由布 氏(弁理士)
にお話を伺った。

大谷特許事務所について

弊所は化学専門というところが強みになります。

事務所自体は70名強のスタッフ、弁理士が25名程度の中規模の事務所になります。この人数の規模で化学専門の事務所は珍しいと思います。

知財との出会い

写真左から関根氏、佐々木氏、有永氏

有永氏:大学時代は化学を専攻していましたが、当時は弁理士の存在を知らなかったんです(笑)。会社に入って3年くらいしてから弁理士の存在を知りました。その会社は知財が特に強い会社とかではなかったんですけど、今後の人生を考えたときにひとつの仕事をずっとやっていきたい、いろいろな発明に触れたいなという考えで弁理士を目指すに至りました。

佐々木氏:私は父親が企業で知財部に勤めていたのですが、私が中学生くらいの頃に特許事務所に転職しました。当時は社会的にテレワークがほとんど浸透していないところ父が家で仕事をしているのをみて、「家でもできる仕事なんだ、いいなぁ」と思ったのが最初です(笑)。

私の時代は就職氷河期だったこともあり、就職というよりは資格を取ろうかなと考えるようになり、弁理士資格の取得をしようと決めました。大学卒業後に試験勉強に専念させてもらい、弁理士資格を取得してから特許事務所に勤務して今に至ります。

関根氏:私は大学院の時に企業の講座があり、そこで特許出願というものについて知りました。私自身、投資が好きなこともあり、企業を調べていくなかで、日本の技術の最先端である「発明」に興味が湧き、弁理士の試験を受けてみようと思ってこの世界に入りました(笑)。

知財や新しい技術というのは明るい未来を感じられるじゃないですか。現実の世界ばかり見ていると、こういう時代なので将来暗いという印象を持つ出来事も事実として多い中で、知財は明るい未来の部分を見ることができます。それっていいじゃないですか。

事務所の強み ~外国出願について~

大企業のクライアントが比較的多く、外国出願案件が多いことから、様々な国への特許出願の実績があります。

アメリカやヨーロッパ、中国、韓国、台湾といったいわゆるメジャーな出願先だけでなく、東南アジアや中東、南アメリカなどにおいても権利取得を目指す必要があるような事例もあります。一例を挙げると、ロシア、フィリピン、インドネシア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、インド、サウジアラビア、GCC、南アフリカ、カナダ、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド等、日本の企業からみるとあまり出願のないマイナーな国についても出願しているという点が弊所の強みになります。

各国の現地代理人とも強いつながりがあるので、毎年いろいろな国の現地代理人が弊社を訪問してくださるんです。桜の季節なんかは特に(笑)。コロナ禍で入国制限があった期間はビデオ会議をすることが多かったのですが、入国制限が解除された直後は毎日のように各国から訪問頂きました(笑)。

弊所は化学のバックグラウンドのある弁理士が多いため、クライアント様が特許を出願する際の、打ち合わせ段階や最初の出願書類の作成段階からかかわることが多いです。

そのため、先に外国で出願されており、すでに内容が固まっているものを日本で出願するいわゆる「外内(がいない)」案件と比べて、国内から海外に出願していく案件を多く取り扱っています。その場合は特許の内容が固まっていない出願やアイデア出しの段階から特許出願に関わることになるので、化学分野の深い理解が求められます。弊所のような化学の専門家を多く抱えているところはそういったところに需要があるということだと思います。

事務所の強み 「協力者制度」

事務所内での制度にも強みがあります。「協力者」という制度があり、常に相談できる相手というのを事務所内で置くようにしています。出願戦略についての意見交換がし易い環境を作ることでさまざまな角度から出願書類に関する意見が出やすくなります。

元大手化学系の企業の方などで研究を支えていたような方も顧問というような形で入っていただいており、常に知見のある誰かと意見交換ができる環境を意図的に用意しているという点も大きな特徴だと思います。

発明発掘段階から専門家が入ることによる効果

これまでは、ある程度まとまったところから出願相談からくることが案件の大半でしたが、最近は、さまざまな事情から発明創出の段階から入ってくれないかという案件も増えてきました。発明創出の最初のブレストの段階から入る案件もあります。

我々としても、最初の段階から企業がどういう開発をしているのかということを知ることができるので、特許戦略という観点からも最適な手段をとりやすくなります。そういった点はメリットになるかもしれません。

企業様と一体となって知財戦略を練るということも強みとしていますので、最近だと、知財部の方が産休や育休等のさまざまな事情で人員が減ったときに弊所から一時的に企業様の社内にお伺いしてサポートさせていただいたケースもあります。

特許書類と、実験データの関係

特許事務所であれば当然目指すところだと思いますが、企業の戦略に沿った形で、できるだけ広い権利化を目指して、拒絶理由を受けたときにいかに落としどころがあるかというところを探索するよう心掛けています。

化学分野の特許出願は出願時に添付する「実験データ」が非常に重要です。

クライアント様の意図する特許に対して、ご提示いただくデータが少ない場合もあるんですが、膨大な実験データを提出いただく場合も多くあります。

あまり意識されない方もいらっしゃいますが、特許出願の内容に応じて「適切な実験データ量」というのがあります。

特許は、企業の特許戦略に応じた適切な権利範囲があります。

例えば出願戦略上分割して出願をしたい場合に権利範囲に応じた適切な実験データ量というのがあります。分割出願をする場合は、その個別の出願毎の実験データということになります。

もちろん実験データが足りない場面も気を付けないといけないのですが、特許書類に記載する実験データの量が多すぎる場合においても、例えば、ばらつきのある実験データなんかだと本来取得したい権利範囲と実験データの中身が微妙にずれるということが起こるケースもでてくるんです。

案件の内容を詳細にお話することはこの場では難しいので、気になる方は直接ご相談いただければと思います。

特許の内容と実験データにずれが生じるようにも読めてしまうような場合は、本来の意図と異なる特許になってしまうケースもあるので注意が必要です。

大谷特許事務所:http://www.ohtani-pat.jp/