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知財戦略に必須、特許ポートフォリオとは

知財戦略を策定するうえで必要不可欠な「特許ポートフォリオ」の策定。

その重要性はVC(ベンチャーキャピタル)等からの評価をはじめ、企業価値を決めるうえでも重要事項です。

特許ポートフォリオとは

特許ポートフォリオとは、ひとことでいうと「特許網」のことです。

企業は自社の事業を保護し、拡大し、あるいは戦略を実現するために必要な特許を取得していくことで、他社に対して競争優位に立つことができ、市場における自社のポジションの明確化をすることができます。

また、独占的な領域を拡大することで市場のなかで自社のポジションを確保し、あるいは独占をするために必要な技術を見定め、その技術に対し特許による囲い込みを行うことにより、市場において法的優位なポジションを築き上げることができます。

特許ポートフォリオの活用方法 

もちろん、特許ポートフォリオを策定するだけでは不十分で、実態に即して都度見直しを図ることが必要です。

たとえば、高い売り上げを誇る製品に組み込まれている特許に関してはさらに権利範囲の拡大を図るといった具合で、売上の増減に応じて特許にかける費用を振り分けるといったことも必要です。

あるいは、自社が策定した特許ポートフォリオをより強固にしていくために自社において特許を取得していくのみならず、他社の特許を活用する必要もでてくることがあります。

そのためにはまず、自社の特許と競合他社の特許を可視化し、比較・整理をしていくことが第一歩となります。

たとえば、開発テーマごとにバブルチャートを作成し、同様の分野における取得件数を比較することも、特許ポートフォリオを作成する第一歩となるでしょう。

無料検索・分析ツール「Tokkyo.Ai」を用いて仮想現実に関する特許の上位5社を可視化。

では、すでに特許を出願している場合とそうでない場合に分けて見ていきたいと思います。

すでに特許を多数取得している企業の場合

まずは仕分けから

特許を整理し、実際に自社の製品に組み込まれている特許や、製品にこれから組み込む予定のある特許、あるいは他社に使用させている特許、そして使用していない特許で、今後の使用予定もない特許(休眠特許といいます)を仕分けし、自社の事業との関係性について再度洗い出しを行うところが第一歩となります。

不足部分をどう補うか

自社特許の分析や他社との比較でみえてくる「足りない部分」に関する技術を自社で開発、あるいは特許取得するのか、それとも他社と提携し、他社技術を使用するのかといった検討が必要になります。

これから特許を取得していこうと考えている企業の場合

こちらについても上記の大企業と同様で、基本的には自社にとって必要な技術を洗い出し、それを自社技術で実現するのか、他社技術を活用するのかという選択をする必要があります。

資金力との関係から研究開発コストをそこまでかけられないといった場合は、他社技術をうまく活用することでコストを抑えることができます。

絵に描いた餅にならないために・・・専門家に相談

統計データからも明らかなように、日本はアメリカなどと異なり、特許を活用し、企業価値を向上させるという経験を持つ方は多くありません。

どのように進めていいかが分からないといった場合は、知財の専門家に相談をしてみることをお勧めします。

特許庁が運営するサイトより無料で相談もできるようなので、活用してみてはいかがでしょうか。

(引用サイト:「IP BASE」https://www.jpo.go.jp/support/startup/index.html

また、他社知財の活用といった点で活用できるサービスもあります。

以下のサイトでは他社に使用させる意思のある特許を無料で検索し、商談をすることができます。

※取引成立時に費用がかかります。

(引用サイト:「IPマーケットプレイス」https://marketplace.tokkyo.ai/

こういったサービスを活用し、自社の思い描く特許ポートフォリオを実現するための取組みをおこなってみてはいかがでしょうか。