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【初心者向け】キーワードから始める特許調査・特許分析

知財情報は企業動向のヒント

皆さん、特許情報をご覧になったことはあるでしょうか。

特許は、その性質上登録前に出願内容が必ず公開されます。これは、特許の出願人がどのような技術に注目し、どのような特許を取得したいと思っているかが公開されている、ということを意味します。

もちろん商品化されない特許もありますが、企業も一定のコストを払って特許を取得しているわけですから、全く不要なものを出願するとは考えられません。

そうすると、特許を見ることで少なくとも企業がどの方向に興味を持っているかを把握することが可能になるといえます。

専門性が必要なのでは…?

多くの人にとって特許はとても専門性の高いものに感じるかもしれません。事実、特許情報を完全に読むには専門性が不可欠ですし、それらを身に着けている専門家の方は、それぞれの能力と経験を発揮して詳細かつ正確な検索・分析が可能です。

しかし、こういった場合はどうでしょう。

例えば、あなたはある地点から、目的地に向かわなければならないとします。専門家は目的地周辺の正確な地図も知っていますし、そこにたどり着くための最短ルートも知っています。ですがあなたは今どこにいるかもわかりません。

このような場合にはやみくもに専門家からアドバイスもらおうとするよりは、自分がどこにいるか、おおよそどこへ行きたいかをある程度把握してからアドバイスをもらう方が確実な成果が得られるはずです。

まず「右に行けばいいか、左に行けばいいか」「周りがどのような状況か」を把握するために、「キーワードから始める特許分析」をお勧めします。

実際にやってみる

前置きはここまでにして、実際に分析をはじめましょう。今回は「AIを搭載したドローンを作ろうとしている企業はどこか」を調べたいと思います。

1.Tokkyo.Aiで「ドローン AI」と検索してみます

(さらに詳細な検索が可能な方のための検索機能もあります)

もう少し方向性を絞りたい方はAIやドローンと親和性の高い単語と組み合わせてもいいでしょう。「写真」「カメラ」「GPS」などの単語を組み合わせるとより望ましい結果が得られる確率が上がります。

2.検索結果が出てきました

この検索結果からは当然検索された個別の知財情報を見ることも可能ですが、そのほかにも以下のような機能があります。(無料会員登録いただくことでご利用可能です)

引用・被引用

大量の引用・被引用があるわけではないので、近接技術があまり多くない業界である可能性がありますね。

検索結果統計

2017年頃から急激に件数が増加しています。AIやドローンが話題に上り始めた時期と体感的にも大きなずれはなさそうです。むしろ2000年や2002年の微量な増加の原因が気になりますので、この時期の特許を見てみる必要があるかもしれません。

3.パテントマップを作る

上記のような機能を持つ検索エンジンTokkyo.Aiの中でもパテントマップ機能は図示する対象を選ぶことができる自由度の高い機能です。縦軸と横軸を自由に設定して、独自の分析を加えることができます。実際に使ってみましょう。

(1)X軸を選びましょう。今回は出願件数の多い企業を上から5件選択します。

(2)Y軸を選びましょう。今回は出願年度を直近5年分選択します。

(3)反映ボタンをクリックすると…

このように画像が表示されます。

企業の前評判を度外視して、この図だけで以下のようなことが言える可能性があります。

・エルジーエレクトロニクスは、他社と比べて2020年の件数が多いことが目につきます。この分野については新規参入あるいは急成長中の企業である可能性があります。

・富士ゼロックスは2017年の出願件数が多いことが特筆すべき点といえます。AIとドローンについていち早く特許戦略を取っている可能性があります。

・半導体エネルギー研究所は2018年以降、他社と比較して一定以上の規模を保っています。この分野の特許戦略に長期間力を入れているといえるかもしれません。

気になる企業や動向をチェック

このように、特許の大まかな動向や業界の主要プレイヤーを把握することで、自社の立ち位置や目指すべき方向性を模索することは、企業にとってもはや必須です。

Tokkyo.Aiで、企業情報を探る第一歩を踏み出してみませんか?