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特許に記載されている「WO」とは?特許番号から何が読み取れるかについても解説

この記事では、特許に関する用語と、実際にどのように使えるものかを解説します。

WOとは?特許番号について解説

疑問にズバリ回答!「WO」とは

「WO」とは、

特許協力条約(PCT)に基づいて行われた国際出願を公開する公報に付される記号です。

つまり、国際出願をした特許に付されます。

そして、その後各国に出願した際は、国ごとに定められた記号が付されることとなります。

アメリカだと「US」、アフガニスタンだと「AF」、イタリアだと「IT」といった具合になります。

国ごとの記号は以下に記載されていますので参考にしてください。
https://www.wipo.int/export/sites/www/pct/guide/ja/gdvol1/annexes/annexk/ax_k.pdf

PCT出願がなされると・・・

PCT国際出願がなされ、公開がされると以下のように公開番号が付与されます。

この番号が付与されているということは、グローバルな市場での活用を見越した特許であることが読み取れます。

特許番号について解説

ここで改めて特許番号についてもおさらいしてみたいと思います。

特許番号とは、特許に付与されている管理番号のことをいい、
ステータスごとに付与される「文字と数字」で構成されています。

特許の出願~登録まで、状況に応じて以下のように付与されています。

【特許番号】
登録され、権利化した発明に「特許第○○○○○○○号」という具合に7桁の番号で付与されます。
【出願番号】
出願した発明に対して「特願(西暦4桁)― (1~999999の通し番号)××××××」という具合に番号が付与されます。
【公開番号】
出願後、公開された発明に、「特開(西暦4桁)― (1~999999の通し番号)××××××」という具合に付与されます。

実際の特許の画面で見てみると以下になります。

以下の画面は紙の特許公報を電子データ処理しているため、上記のような形式とは少し異なりますが、桁数は同じになります。

ここを見ることで、いつ出願がされ、いつ権利化がされたかを把握することができます。

特許の手続きは、『出願⇒公開⇒審査請求⇒審査⇒登録』という時系列で進んでいきますが、「審査請求」のタイミングが通常よりも早いタイミングで行われていたりと、権利者の挙動によりその特許にどのくらい力をかけているかを読み取ることができます。

実は、この「WO」をはじめとする特許番号からはさまざまな事を読み取ることができます。

【実践編】特許番号から何が読み取れるか

特許番号から読み取ることができる情報

特許番号の意味を理解し、付与状況を正確に読み取り、その特許の権利状況を把握することは他社を分析するうえで欠かせません。

まず、一般論として特許情報から読み取ることができる情報は大きく分けると以下のようになります。

このうち、今回の記事で最初の方に解説した「WO」が付与されているという情報が分かると、国内特許出願をしている特許と比べてコストがかかる挙動をしていると読み取れますので、「自社注力度」が高い特許だということができます。

もちろんそれだけでなく、「特願2019‐××××××」となっている特許の公開日が「特願 特願2019‐×××××× 」と、出願と同じ年度に公開がされていた場合などは、出願から登録までの時期が通常の出願から公開までの「1年半」という期間より短いことから、他社へのけん制をするため出願公開請求をしている事情が読み取れるので、この「自社注力度」が高いことが推定できます。

Tokkyo.Aiをつかえば、検索の段階で審査状況についてのソートをかけることができますので、いちいち個別の特許を開かずともその特許が公開されている段階なのか、登録されている段階にあるのかといった、「どの段階にあるか」を読み取ることができます。

特許番号が分かっている場合はそのまま検索バーに番号を入力!

もし調べたい特許の登録番号が分かっていれば検索バーに特許番号を入力することでそのまま検索を行うことができます。

ぜひ特許検索をして、過去の技術から世界の将来を担う最先端の技術まで検索をしてみてください。

まとめ

特許番号には、どの国で出願をしたかということに加え、特許のステータスと、出願や登録の時期を読み取ることができます。

今後の分析の参考になれば幸いです。