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知財について考える日、「世界知的財産の日」とは?

早速ですがみなさんに質問です。

「“きょう”は何の日ですか?」

いかがでしょう、いくつ思いつきますか?

この記事を読まれている方の中にも、ご自身の誕生日や記念日などふとしたきっかけで「きょうは何の日」かを調べたことがある方が多いと思います。Google検索のトップ画面がにぎやかになって記念日に気づく、という方もいらっしゃるでしょう。

そうです、日本だけでなく世界でも365(366)日すべてに実に様々な記念日が設定されているのです。今回はそんな記念日のなかでも知財に携わる方なら必見、そうでなくても知っておきたい「世界知的財産の日」について解説したいと思います。

「世界知的財産の日」はいつ?由来は?

「世界知的財産の日」(※)は毎年4月26日です。これは、世界知的所有権機関(WIPO)の設立のための条約が1970年のこの日に発効したことが由来です。

(※英語では「World IP Day」といい、その和名は2022年より「世界知的所有権の日」から「世界知的財産の日」に変更しました。)

WIPOが2000年に記念日を制定してからは、毎年国際的なイベントが企画されています。

WIPOって何?知的財産って何?という方のために少しお話しすると、「知的財産」とは、人々の知的・精神的な活動で生み出される財産のことです。

発明やアイディア、デザインやイラスト、写真、ブランド、キャッチコピーなどを思い浮かべてください。例えばイラストなら、実物(カンバスや絵の具など)の費用よりも高い価値が付くなど、作者の創作活動にモノを超えた価値が付いています。こういったものを「知的財産」と呼びます。

これらは国境を超えて広まっていくものですので、その取扱いに対して国際的な取り決めが必要です。その国際的な取り決めを司っているのが世界知的所有権機関(WIPO)なのです。

何をする日?

「知的財産」(IP)が世界の芸術の発展にどう貢献するか、また、世界をより良くするために重要なイノベーションの促進にどのように役立つのかについての理解を深めるとともに、世界中の人々と共にそれを考える機会となる日です。

それらの実現のため、「世界知的財産の日」には様々なイベントが行われます。WIPOでは開催イベントを全世界でシェアできるカレンダーを用意しています。各国で様々なイベントが行われる予定のようですね。

2022年の「世界知的財産の日」にはWIPOの日本事務所が主催する以下のようなイベントが開催されます。

2022年のテーマは「IP&Youth:より良い未来のためのイノベーション」です。

○著名人の知財に関する講演

○若手起業家・発明家からのメッセージやパネルディスカッション

○放送番組の違法配信撲滅キャンペーン「違法だよ!あげるくん」のCM制作の裏側

○坂本梨紗アナウンサー×澤井WIPO⽇本事務所⻑による対談 「若者に伝えたいイノベーションと知的財産」

○未来を担う小中高生発明家の紹介

「発明」だけじゃない!だからこそ、併せて考えたい「発明の日」

日本では、4月18日が「発明の日」とされています。1954年より続く記念日であり、この日にあわせて行われる知財系イベントも多くあります。

知的財産の中には「発明」も含まれますから似た趣向の記念日ではありますが、世界知的財産の日は発明にとどまらず、様々な知的財産に触れ、考える日です。

例えば以下のようなものは「発明」ではなくとも全て知的財産です。

○Youtubeなどの動画やInstagramなどの写真

○漫画、小説

○映画、ドラマ

○絵画、彫刻

○ブランドロゴ

○キャッチコピー

世界知的財産の日には、これらをテーマとして取り扱うという意味でも、発明の日とはまた別の意義があります。この機会に二つの記念日を見比べて、その違いにも思いを馳せるのも楽しみ方の一つでしょう。

知財業界にとってはクリスマスとお正月に匹敵するような濃密な一週間、ぜひ楽しんでください。