知財ニュースまとめ 2023年6月21日版

専門家の協力を得て、主要企業による生成AI（人工知能）に関する特許出願を分析しました。出願数では、GoogleとMicrosoft（マイクロソフト）が競い、IBMが続いています。各社の注目特許からは、文章生成に続くトレンドとして、音声認識や合成技術に力を入れる姿勢が見られます。東京の知財ランドスケープという知的財産の分析専門企業の協力を得て、この分析が行われました。オープンAIの「Chat（チャット）GPT」など、生成AIに関する特許出願が活発に行われています。

中国の通信機器大手、ファーウェイが日本の約30社の通信関連企業に特許使用料を要求していることが明らかになりました。大手メーカーが中小企業に対して直接交渉を行うのは珍しいことです。この要求は、米中の対立による経済安全保障上の規制により、ファーウェイの製品販売が困難になった反動と考えられています。中小企業は特許交渉に慣れていないため、不利な契約を結ばないように慎重に対応する必要があります。ファーウェイ日本法人が明らかにしました。同様の特許使用料要求は、東南アジアの他の国でも行われています。

日本は革新的ながん治療技術において、2020年代後半に世界的に普及する見通しとなっており、その存在感が高まっています。特許競争力の集計結果によると、日本は米国を逆転し、21年において首位に立っています。ただし、中国も急速に有力な特許を増やしており、現在は3位に位置しています。世界では毎年約2000万人が新たにがんにかかり、1000万人が亡くなっており、がん治療に関する医療機器や医薬品の市場で国際競争が激化しています。日本の企業は現在、技術力において優位に立っています。

日本の自動運転EV開発企業、Turing株式会社が自動運転に関連する特許2件を出願しました。これらの特許は、素早い車両制御と複雑な状況判断を組み合わせる技術に焦点を当てています。Turingは、大規模な認知・意思決定モデルと軽量なセンサーモデルを組み合わせ、自動運転技術を開発しています。また、言語モデルを使用した自動運転入出力システムも開発しており、AIが言語を通じて状況を理解し、効率的な情報処理を行うことが重要です。Turingは、2021年創業でありながら、テスラを超える完全自動運転を目指しています。彼らは2022年に公道実証を開始し、大規模な走行データセットの構築にも取り組んでいます。Turingの成長と今後の動向が注目されています。

米東部デラウェア州連邦地裁の陪審は２１日、オーディオソフトウエア関連特許２件を侵害したとして米アルファベット傘下グーグルを相手取って起こされた訴訟で、特許権を保有するパーソナル・オーディオに１５１０万ドルを支払うようグーグルに求める評決を下した。

大学の特許数は20年間で20倍以上増えたものの、特許収入は追いついていないという状況が報告されています。大学が研究成果を特許化すること自体は増えているものの、それが経済的な収益につながっていないようです。この問題に対して、大学側では試行錯誤が行われています。

Efficient Power Conversion（EPC）は、自社の特許ポートフォリオの4つの特許に関連して、中国のInnoscience Technologyとその関連会社に対して告訴状を提出しました。EPCは、これらの特許がGaNパワー半導体デバイスの設計および製造プロセスをカバーしており、高効率かつ低コストな集積回路への発展を可能にすると主張しています。EPCは特許侵害による損害賠償と米国への製品輸入禁止を求めています。中国のGaNメーカーは成長し、EPCの存在感を増しており、EPCが中国市場での立場を維持するためには特許侵害を主張する必要があると言われています。

文化庁は6月22日、令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」について、YouTubeでアーカイブ配信を開始したと発表した。講義資料もPDFで公開している。
セミナーは6月19日にオンラインで開催されたもの。AIと著作権についての理解を深めるための内容で、生成AIの「開発・学習段階」「生成・利用段階」における権利についてそれぞれ文化庁担当者が詳細に解説する。