AIが文章を生成するようになり、その文章が著作権法上の保護対象となるかどうかが注目を集めています。
本記事では、自然言語処理AIサービスと著作権法について解説します。
自然言語処理AIサービスとは？
自然言語処理AIサービスとは、人工知能を用いて自然言語での文章生成や翻訳、要約、感情分析などの処理を行うサービスのことです。代表的な自然言語処理AIサービスには、OpenAIのGPTシリーズやGoogleのBERTがあります。
AIが生成した文章の著作権保護
AIが文章を生成した場合、その文章に著作権が生じるかどうかは、いくつかの要件を満たしているかどうかによります。
著作権には、創作性や独創性、個性的な表現、文学的価値などが求められます。これらの要件がAIによって満たされるかどうかは、まだ議論の余地があります。
現在の日本の著作権法では、著作権保護の対象には人間による創作物のみが含まれます。しかし、世界では、AIが生成した作品にも著作権保護を認める動きもでてきています。
参考記事：『ChatGPTは特許出願や特許分析ができるか？対話型AIについて法的観点から考察』
自然言語処理AIサービスの利用における著作権法上の注意点
AIサービスを利用する際には、著作権法上のいくつかの注意点があります。以下は一般的な注意点ですが、法律は国や地域によって異なるため、具体的な法律上の問題については専門家に相談してください。
入力データの著作権：
AIサービスに与える入力データが、著作権で保護されている場合、そのデータを使用する前に著作権者から許可を得る必要があります。例えば、著作権で保護された文献から文章を抜粋して解析する際は、その使用が適切に許可されているか確認してください。
AIの生成物に対する著作権：
AIが生成したテキストやデータは、その出力が独創性がある場合、新たな著作物として著作権が発生する可能性があります。その場合、AI開発者やAIサービス提供者が著作権を保有することがあります。また、生成物が他の著作物を引用や改変している場合は、引用元の著作権者の許可が必要となることがあります。
データプライバシーと著作権：
AIサービスに個人情報や機密情報を入力する際は、データプライバシーに関する法律や規制にも注意してください。また、AIが生成したテキストやデータに個人情報が含まれる場合、その取り扱いについても注意が必要です。
公正利用（フェアユース）：
一部の国や地域では、著作権法に公正利用（フェアユース）の原則が定められており、教育、ニュース報道、批評、研究などの特定の目的で著作物を使用する場合、著作権侵害に該当しない場合があります。ただし、公正利用の範囲や条件は曖昧であることが多く、具体的な事例に応じて判断が必要です。
そして、自然言語処理AIサービスを利用する際は、著作権法だけでなく、契約条件やサービス利用規約にも注意してください。これらは利用者の権利や責任を規定しており、AIサービスの利用に関する様々な問題に対処するための指針となります。以下に、契約条件やサービス利用規約に関連する注意点をいくつか挙げます。
サービス利用規約の確認：
AIサービスを利用する前に、サービス利用規約を確認し、内容に同意できるかどうかを検討してください。規約には、データの利用や著作権に関する規定が含まれている場合があります。
AIサービスのライセンス：
AIサービスやツールには、商用利用や非商用利用、再配布や改変など、利用条件や制限が設定されていることがあります。これらの条件や制限を遵守して、適切な方法でサービスを利用してください。
第三者の権利：
AIサービスが生成するテキストやデータに、第三者の著作権や商標権などが関与する場合があります。その場合、第三者の権利を侵害しないように注意が必要です。
責任の所在：
AIサービスの利用によって生じた問題や損害について、サービス提供者と利用者の間で責任の所在が明確にされていることが重要です。契約条件や利用規約において、責任の範囲や限度が定められていることが一般的です。
最終的に、自然言語処理AIサービスを利用する際には、著作権法や関連法規に加えて、契約条件やサービス利用規約にも注意を払い、適切な方法で利用することが求められます。
文章生成AIに関する特許の出願傾向
簡易的に特許を調べてみたところ、文章生成AIに関する特許は国内で約6000件ほど出願されており、2016年頃より急増しています（当社調べ）。
※無料で特許の検索・分析を行うことができます。
参考記事：『無料で特許・意匠・商標が検索できる検索エンジン』
自然言語処理AIと著作権の今後
技術の進歩によって、AIがますます高度な文章を生成するようになることが予想されます。その結果、自然言語処理AIと著作権に関する法的な問題が増える可能性があります。このような状況を受けて、著作権法や関連法規が適切に対応するための改正が求められることとなります。
まとめ
AIが生成した文章に著作権があるかどうかは、まだ議論が分かれるところです。ただし、自然言語処理AIサービスを利用する場合には、著作権侵害にならないように、利用規約の確認や著作権表示の実施などに十分注意する必要があります。今後、AI技術の発展に伴い、著作権に関する法律やルールも進化していくことが予想されます。
そして、
実はこの記事は青文字の部分を除き、AIが書いています。
人間が書いた記事はこちら⇒『AIが描いたイラストの著作権はどうなる？』
