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知的財産のウマい活用方法

知的財産とは、特許権や商標権、著作権などの目に見えない企業の財産を意味します。日本では、こうした目に見えない資産について、それを独占的に利用できる権利を保障しています。

今回の記事では、そんな知的財産のウマい活用方法を7つご紹介します。

特定の商品やサービスの独占的な販売

もっともオーソドックスなのは、知的財産を使って特定の商品・サービスを独占的に販売する方法です。

そもそも知的財産権は、革新的な技術やノウハウ、創作などを作った人が、それを第三者に横取りされるなどして、不利益を被らないための権利です。知的財産を取得すれば、原則的にはその知的財産が用いられる商品やサービスを独占販売できるようになります。

商品やサービスを自社のみで販売できるため、莫大な利益を得られる可能性があります。安定的な収益の獲得はもちろん、大きな利益を獲得することで事業を大きく成長させられる点で、この活用方法は非常にオススメです。

ライセンス収入の獲得

ライセンス収入の獲得も、知的財産の有効な活用方法として広く用いられています。本来知的財産権は、特許や商標などを作った人が、無断で他社にそれを利用されない権利です。しかし、あえて知的財産の利用を他社にも認めれば、定期的にライセンス収入を獲得できます。

製品やサービスを独占的に販売する場合と比べて、製品・サービスの開発費用をかけずに収入を得られる点が最大のメリットです。また、自社で製品やサービスを販売すると、売れずに初期費用や運転資金が水の泡となるリスクがあります。このリスクを負わずに済む点も、この方法の持つ魅力の一つです。

マーケティングや営業でアピールポイントとして用いる

知的財産権を取得しているということは、独占的・革新的な技術やノウハウを持っている事実を表します。つまり知的財産権を持っているだけで、製品品質の良さや技術力の高さなどをアピールできるのです。

このようなメリットがあるために、製品を宣伝・販売する際や営業のときに、知的財産を持っている旨を積極的にアピールするのはとても効果的です。商談を有利に進めることができ、製品やサービスの販売数や利用者数の増加にもつながり得ます。

資金調達を有利に進める

金融機関や投資家から見ると、知的財産を持っている企業は、独占的な使用やライセンス収入の獲得により、安定的な収益を得られる会社となります。そのため、知的財産を持っている旨をアピールすれば、金融機関からの融資や投資家からの出資を有利に進められる可能性が高まります。

「知的財産を獲得→収益性アップ→より知的財産や事業への投資を進める→さらなる収益性の向上」という風に、好循環を生み出せる可能性もあります。知的財産を獲得した後は、積極的に資金調達を活用すると良いでしょう。

新規事業の立ち上げや多角化で活用する

知的財産権の保護対象となる技術やノウハウを、新規事業の立ち上げや多角化に活用するのもオススメです。

本来、新規事業の立ち上げや多角化は、一から起業するのと同程度に難易度が高いです。その成功率は1〜3割と言われており、多額の投資が無駄になるリスクも考えられます。しかし知的財産権の保護対象である技術・ノウハウ等を活用すれば、独占的な利益の獲得や資金調達などの面で大きなメリットを得られます。そのため、知的財産を持っていない場合と比べて、新規事業立ち上げや多角化を軌道に乗せやすくなるでしょう。

事業や会社の売却価値を高める

知的財産権は、通常の事業活動のみならず、会社や事業を売却するタイミングでも役立てることが可能です。

M&Aでは、純資産や将来的な収益性などの基準を基に算出した「売り手企業の価値(企業価値)」をベースに、最終的な売却価格を決めます。この企業価値を算出する際には、機械設備や土地などの有形資産のみならず、知的財産権を含む無形資産も考慮します。

上記の理由より、知的財産権を持っていることで、より高い値段で事業や会社を売却できる可能性が高くなるわけです。

社内の活性化

最後にご紹介する知的財産の活用方法は、社内の活性化です。知的財産といえば、どうしても収益の獲得面ばかりで活用方法を考えます。しかし実は、従業員のモチベーションや創造性の向上にも役立てることが可能です。

たとえば知的財産を取得した人を表彰する制度や、特別ボーナスを支給する制度などを導入すれば、やる気の向上につながるでしょう。また、表彰や昇進、ボーナスの獲得を目的に各従業員が競争することで、会社全体で創造性やチャレンジ精神を醸成することも可能です。

まとめ

今回お伝えしたとおり、知的財産にはあらゆる活用方法があります。知財のマネタイズのみならず、社内の活性化や資金調達、M&Aなど、活用できる場面は多岐に渡ります。 今回お伝えした内容を参考に、ぜひ御社で保有している知的財産の活用方法を検討していただければと思います。